現在の小児外来診療の問題点
・風邪に抗菌薬の濫用 たかが抗生剤、されど抗生剤
これはもはや言うに及ばずのことでしょう!
・安易な気管支喘息薬の濫用 気管支喘息の診断?
風邪の際の咳にもこのお薬は効果があるようです。当院でも処方することもありますがくどいくらい気管支喘息の薬であることを説明し納得して戴いてから服用してもらっております。
・目的を見失った迅速検査の横行 迅速検査の意義
公的な医療保険は病気を治すために皆でお金を出し合って運営されております。溶連菌やインフルエンザ以外は感染初期にウイルス名が判明しても病気を治すことにほとんど役立ちません。ただ、発熱が長く続く場合や肺炎になっている時にはこれらの検査はとても有用です。
・抗アレルギー(ヒスタミン)剤の濫用 抗ヒスタミン剤の副作用
アレルギー症状は緩和しますがアレルギー体質そのものはほとんど治しません。アレルギー体質は時期が来るとそこそこ落ち着くことがあります。
・高額な保湿剤の無節制な大量処方 小児科外来診療料:¥1,100の壁
とても良い薬だと思いますがただ塗るだけでは良くならないでしょう。
予想されるこれからの問題点
・子どもへの向精神薬の安易な処方(主にコンサータ、ストラテラ)
(もちろん、ADHDの方にはとても有用な薬剤です)
コンサータの前身薬剤リタリンに関しての情報
http://jp.drugfreeworld.org/drugfacts/ritalin/how-ritalin-abuse-starts.html
http://jp.wsj.com/articles/SB10001424127887324368204578594852542861188
2015年10月に知り合いに送ったメールの一部
今から20年ほど前に歯科医師国家試験に落ち続ける我が子に女医さんがリタリンを処方したことが発覚し新聞沙汰になったことを記憶しております。その頃、勤務医だった私自身もリタリン試し飲みのため上司に処方してもらったら病院内でちょっとした騒ぎになりました(^^;)。
・・・・・・・
20数年前にアメリカではリタリンで成績が上がるとクラスの半分弱?が服用していることがCNNで報道されていました。このためにコンサータは登録制になったのだと思いますがやはり・・・。
(ADHD患者さんが内服すると治療効果で成績は上がるようですが、上記のように正常な方には効かないでしょう)
当院近辺でもコンサータ、ストラテラの乱用処方合戦が始まりそうな気配を感じます。
もちろん、当院は参戦しません。
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