もりや小児科医院Moriya Pediatric Clinic

抗ヒスタミン剤の副作用


風邪の鼻炎症状や痒みには一般的には
ポララミン、あるいはペリアクチンと言う商品名の第一世代の抗ヒスタミン薬が多く使われております。これらの薬剤をお父さんやお母さん方に飲ませると数人に1人くらいは眠くて我慢できない、咽が乾くし鼻の中も乾燥して辛いのでもう服用したくないと訴えることがあります。これは薬剤が中枢神経抑制作用(眠気、インペアード・パフォーマンスなど)を引き起こしやすく、また抗コリン作用も持ち、粘液の分泌抑制を起こし鼻水が止まる反面に、口渇や尿閉、眼圧上昇などの副作用が現れます。
※ポララミン2mg錠の服用でウイスキーシングルを3杯飲んだのと同じ状態になると言われております

これらの作用が痙攣を起こしやすくします。とくに子どもは脳が未熟なために熱性けいれんを起こすことありますが、これらの薬剤服用時は熱性けいれんを重積(痙攣が止まらない状態)させることがあると報告されています。また、粘液の分泌を抑えることにより痰や中耳内の膿性液が粘調になり、肺炎や中耳炎を悪化させることも指摘されております。

当院では感冒の際には比較的に中枢神経抑制作用や抗コリン作用が弱い薬剤(
ゼスラン)を採用しているため他医院に比べて鼻水が止まりにくいことをご理解ください(今後は使用しない方向に進んでいく予定?です)。

小児に処方される主な抗ヒスタミン薬の安全性について
・安全:
アレグラフェキソフェナジン) アレジオン(
エピナスチン ザイザル
・比較的安全:
クラリチン(
ロラタジン) ジルテック(セチリジン) アレロックオロパタジン) タリオン ゼスラン(メキタジン) アゼプチン
・熱性痙攣を誘発する可能性があるもの:
ザジテン(ケトチフェン:スプデル) セルテクト ポララミン(クロルフェニラミンマレイン酸塩:アニミング) ペリアクチン(シプロヘプタジン塩酸塩) アレルギン ヒスタール アタラックス レスタミン タベジール テルギンG

FDA:OTC Cough and Cold Products: Not For Infants and Children Under 2 Years of Age

http://www.fda.gov/forconsumers/consumerupdates/ucm048682.ht へのリンク