今回は3歳未満の子どもの医療費について説明しましょう。この年齢では「包括」と「出来高」方式があります。
「包括」方式とは、診療に伴う全て込み込みが一つの決まった下記の料金となります。社会に浸透している事例に例えると携帯電話のカケホーダイ料金のようなものです。院内調剤の場合はどんな高額で大量の薬を渡しても「お薬代」自体も同一料金です。
@処方せんを交付する場合 (院外処方せんを発行) |
A @以外の場合 (院内で調剤の場合) |
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初診時 | 572(¥5,720) | 682(\6,820) |
再診時 | 383(\3,830) | 493(¥4,930) |
「出来高」とは読んで字のごとく、診察料・検査費用・判断料・指導料・処方料金(院内調剤の場合はさらに調剤費・薬剤費)がひとつずつ積み上がって計算され合計されるものです。
例えば1歳の子どもが発熱して受診し、病院を受診しインフルエンザ検査を行い、タミフルの院外処方せんをもらって来た場合の基本は(さらに「乳幼児育児栄養指導料130点」が加わる場合も多い)、
初診(診療所) 282
乳幼児加算[6歳未満] 7
免疫学的検査判断料 144
感染症免疫学的検査 院内
インフルエンザウイルス抗原定性 147
内服薬処方せん料 有効期限未入力 68
処方せん料 乳幼児加算 3 総計719点(¥7,190)
さらに当院でよく行っている血算・CRP迅速検査をした場合は下記項目が加わり、
血液学的検査判断料 125
末梢血液一般 21
外来迅速検体検査加算 10
CRP(C反応性蛋白) 16
外来迅速検体検査加算 10
B-C(血液採取 その他) 6
血液採取(乳幼児)加算 20 総計927点(¥9,270)
もちろんこれとは別個に調剤薬局での費用が発生します。
上記を比べてみると「包括(¥5,720と比較)」は「出来高」に比べて特別高い(むしろ格安?)と言うものでもありません。しかし、受診の度に毎回検査するでしょうか? 多くの場合は診察し院外処方せんを渡すだけで検査しないことがほとんどでしょう。このような場合は、
初診(診療所) 282
乳幼児加算[6歳未満] 75
内服薬処方せん料 有効期限未入力 68
処方せん料 乳幼児加算 3 総計428点(¥4,280)
となり、平均してこなすと「包括」の場合が多くの医療機関にとっては得です。ただし、この包括方式は「小児科」を標榜しないと請求できません。
右記をクリック 小児科標榜のメリット
すなわち、
・出来高方式:限度はあるが検査をすればするだけ利益がでる。
(3歳以上はどこの医療機関も出来高となります)
・包括方式:検査をせずに適当に院外処方せんを切っておけば利益が残る。
当院は大変申し訳ありませんが事務手続きの簡素化と子どもに検査による肉体的負担をあまりかけたくないので主に院内調剤による「包括方式」を採用させて戴いております。
右記をクリック 小児科外来診療料:¥1,100の壁
まだまだ書き直します。
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