(2017年4月記)
JAとりで総合医療センターは平成29年4月より当面の間、23時から翌朝8時30分までの小児救急診療は基本的に救急搬送された重症患者さんのみに限定されます。
夜間(23時〜)において下記に該当する場合は迷わず救急車を要請しましょう。
・生後3ヶ月以内で39度以上に発熱し2~3時間後の再測定でも下がらない。<- 細菌性髄膜炎・敗血症 等の重症細菌感染症
(ただし、ヒブや肺炎球菌ワクチンを2回以上接種していて3回目間近でそこそこ機嫌が良ければ朝まで様子をみていても大丈夫でしょう。)
・トマトケチャップと便をかき混ぜたような血便がでている。<- 腸重積
(糸状や筋状、便の周りに血が滲む程度で機嫌も良ければ一晩様子見で大丈夫でしょう)
・ロタワクチンを接種後に機嫌が悪く何回も吐き続ける。あるいは血便がでる場合。<- ロタワクチン副反応による腸重積
(接種後おおよそ1週以内に起きると言われております。ロタワクチン接種後の場合は便の周りに血が滲む程度でも診察を受けましょう。)
・お腹が蛙のようにパンパンに膨らみ、吐き続けている。<- 腸閉塞・内ヘルニア 等。
(通常の感染性胃腸炎の場合は何回か吐いていても一晩くらいでは重篤な脱水になりません。数時間ほど禁飲食とし、OS-1等の経口補水液を少しずつ与えましょう。)
・痙攣が止まらない。痙攣がおさまっても呼び掛けに反応しない。腕や足の片側が麻痺している。<- 急性脳炎/脳症・頭蓋内血管性病変
・顔色が悪くゼーゼーし、横になると苦しくなって起き上がってしまう(起座呼吸)。<- 気管支喘息・喘息性気管支炎・クループ・喉頭蓋炎・気管内異物 等
(パルスオキシメーターで酸素濃度が測れると安心できます。95%以上ならよほど苦しくなければ翌朝まで待っても大丈夫でしょう。但し、息を吸う時に苦しがっている時は喉頭蓋炎などの重篤な病気である可能性もありますので注意してください。)
なお、子育て中の家庭には 体温計・「OS-1(オーエスワン)」あるいは「アクアライトORS」等の経口補水液、できればさらにパルスオキシメーターを揃えておきましょう。
パルスオキシメーターは酸素濃度を計測する機器です。心拍数も測れます。 30年前は200万円以上しましたが今はamazonで¥7,000程度から購入できます。当院ではMD300C634
(¥13,000前後)も使用しておりますがとても良いです。 病気以外でもフィジカル・トレーニングや登山等にも利用できます。酸素濃度が平地で90%を切る場合はすぐに病院を受診しましょう。飛行機搭乗中は90%前後に落ちますが通常は問題ありません。
また、救急車を要請するほどでもないけれど どうしても夜間に救急で診察してもらいたい方は、
筑波メディカルセンター:茨城県つくば市天久保1丁目3番地の1 02-851-3511
土浦協同病院:土浦市おおつ野四丁目1番1号 029-830-3711
に連絡をとってから受診してください。筑波メディカルセンターは23時以降は小児科医以外の当直医の診察になることを理解の上受診してください。
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